人間知性研究―付・人間本性論摘要価格: 5,040円 レビュー評価:5.0 レビュー数:2 ヒュームの哲学のエッセンスがコンパクトにまとまっている本。
ヒュームの哲学は、理性への強い懐疑と、経験への立脚が特徴的である。
因果律の分析は特に有名である。
ある玉Åが別の玉Bにぶつかり、Bがはじかれて動いたとしよう。このとき、Aを原因、Bを結果と見るものは何だろうか。
自然の中に原因や結果が隠れているわけではない。いくら頭で考えても、どこかから因果律が降ってくるわけではない。
原因や結果は、我々が経験的に学び取った、世界を見るための手段なのである。
自由と必然に |
シミュラークルとシミュレーション (叢書・ウニベルシタス)価格: 2,940円 レビュー評価: 5.0 レビュー数:1 ボードリヤール、さらにはポストモダン理論を理解するうえでの最も重要な本の一つ。 映画「マトリックス」の原案にも多大な影響を与えたといわれており、実際、映画の中でもこの本自体が出現する(主人公が切り抜かれた本の中にディスクを隠しているが、その本が英語版のSimulacra & Simulationのハードカバーバージョンである)。 まあ、ボードリヤール自身は自分の考えが曲解されていると不満らしいが、10章の「クローン物語」には少なくともマトリックスで描かれている世界との直接的つながりを見出すことが出来る。 もちろん、ボードリヤールのいうハイパーリアルな世界とは、コンピュータテク |
煉獄の誕生 (叢書・ウニベルシタス)価格: 7,350円 レビュー評価:5.0 レビュー数:1 「煉獄」といっても、ヨーロッパ史に興味のない人間にはおそらくわからないだろう。一口で言えば、天国と地獄の間の世界であり、それは最後の審判を待つための有限的な世界であった。
中世のキリスト教になぜ煉獄が必要だったのか。煉獄の思想はどのように発展していたのか。そんな問題を緻密に研究していった本書は歴史学界に残るべき大作である。また、煉獄思想をとおして中世世界は如何に変容したのかという視点は、政治的経済的な視点で見られがちな歴史の変化を、新鮮な形で解釈している。
といっても、初心者が読むには多少難解であると思われるため、まずはル=ゴフ氏の別書『中世とは何か』から読み始めては |
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色―染と色彩 (ものと人間の文化史 38)価格: 3,360円 レビュー評価:5.0 レビュー数:2 伝統的な色の名前がでてくる。
デザイナにとっては、デザインに行きづままったときに立ち返る場侭になると房う。
色を見るだけで、二次元的な構想を練ることもあるが、
色の名前を組み合わせて構想を練るのも手だと思った。
青白橡を「あおしろのつるばみ」と読み、橡が「くぬぎ」だと知ったのはこの本を読んだおかげです。
山鳩色、鳩色、菊塵色、魚綾(ぎょりょう)色とも呼び、これが天皇の御料であったことからとのことだそうです。
色使いに行き詰ったときに、博物館に古い芸術品を見に行くのが一番いいが、こ |
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